メジロ日誌





我が家の庭は小さいけれど、それなりに木が生い茂り、道路から見ればこんもりとした森が

あるように見えなくもありません。

それに騙されたのでしょうか?

2002年5月のある日、玄関脇の木にメジロが巣を作りました。

見慣れた鳥といえばスズメか鳩かカラス・・・くらいで、メジロなんてそう見た事はありませんし、

ましてや巣なんてとんでもなく、アノ奇妙な物体がまさか巣とは気づきませんでした。

「カマキリの卵に似てるから、何かの虫の卵?? 」

「じゃ、こんなに大きい卵ならさぞかし子供がうじゃうじゃ〜!」

「ウ"ェェ〜〜〜!」くらいにしか思わなかったのです。

で、採ってしまうかどうするか??と思っている矢先、巣からはみ出た尻尾を発見。

その時、はじめて鳥の巣という事に気づきました。

聞けば、鳥が家に巣を作るのはとっても縁起の良い事だそうです。

しかもツバメはよく見かけるけれど、メジロっていうのは珍しいみたい。。

卵もすでに生まれているし、これは何とか無事に孵してあげたいと見守る事にしました。

しかし、リンチャコの力及ばず。。。

ベイビー'sの巣立ちは、途中で夢と消えました。

悲しい結末に終わったけど、発見からの記録はここに残したいと思います。





 


メジロって?


学名 Zosterops japonica、スズメ目メジロ科 眼白、繍眼児、全長約11.5cmのスズメよりも一回り小さい南方系の鳥です。

英名を Japanese White-eye と言い、まさしくその名の通り目の周りには、短く細い絹のような羽毛で白い輪が描かれています。

全体には黄緑色をしていて、喉は黄色、胸・腹は白っぽい色をしています。

嘴は黒く細く、尾は褐色で短かめです。

アジア・アフリカ・オーストラリア・太平洋諸島に広く分布し、日本でも北海道から沖縄まで広く分布・繁殖します。

しかし北日本での棲息はやはり少なく、秋冬には暖地に移動します。

よく茂った常緑広葉樹林が作る森は、一番好きな環境ですが、全国の丘陵・山地・平地の林に留鳥として広く棲息しています。

特に暖地の常緑広葉樹林の辺りでは、冬から春にかけては市街地の公園や庭にもよく姿を見せます。

自然が少なくなってきたせいでしょう。

最近では市街地での繁殖が多く見られるようになってきました。

繁殖期は4月〜6月頃で、木の枝先に枯れ草・ビニールテープ・クモの糸などを使って、直径10cm程度のお椀型・ハンモック状の

巣を作ります。

繁殖期以外の時期は群れで生活し、枝にギューギューに並んでとまっている様子から「メジロ押し」という言葉が生まれました。

鳴き声は、チーチュルチーチュルチーチーチュルチーという感じで、大きな声で複雑で早口でにさえずります。

この声は「長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛」と聞こえ、大変美しいので人々に愛でられ、鳴き声大会が開かれる地方もあります。

その為、捕獲する人もいるようですが、可愛らしいとはいえ野生棒物ですから、そっとしておいてあげたいものです。

ツバキ・ウメ・サクラなどの花蜜や、熟したカキ・リンゴ・ミカンなどの果実等、甘い物を好みますが、小昆虫や小さな木の実も

よく食べます。

鳴き声の美しさと梅によくとまっている姿からウグイスと間違われ、お菓子のウグイス餅はウグイスと間違われたメジロの色に

なったという話をどこかで聞いた覚えがあります。

そんなところから、メジロをウグイスと思っている人も多いようですが、ウグイス同様メジロも昔から人々に愛されてきた小鳥

という事なのでしょう。