全日本女子ユースU18大会の決勝戦は、クラブチーム同士の対決(メニーナ VS SFIDA)となりました。メニーナは、ホームグランドに戻り、ようやく本来の力を取り戻したような、正確なパスワークと、巧みな個人技で、観客を魅了しました。準決勝までの試合(駒沢会場)では、慣れないスタイルの高校チームに、苦戦する場面も見られましたが、決勝でのメニーナは、「日本一」の貫禄を十分に見せてくれました。一方、SFIDAの成長ぶりにも驚かされました。スコアこそ、7−1と、大きく開きましたが、昨年の決勝リーグの対決時に比べ、SFIDAのチーム力が大きく向上していることが顕著に見られる試合展開でした。これまでのSFIDAは、メニーナと戦うときに、「失点をしないように守備を固める。マークをしっかりつく。」というスタイルでしたが、関東を決めた後のこの試合は、今までの殻を破り、「相手がたとえメニーナでも、いつもどおりのSFIDAらしいサッカーをしよう」という姿勢でチャレンジしていました。攻撃のチャンスを演出でき、今後につながる満足のいく試合内容だったと言えるでしょう。関東大会での活躍が期待されます。
※メニーナ7(2,5)−1(0,1)SFIDA世田谷 
    
4分 小林海(メニーナ)・15分 永里(メ)・41分 小林海(メ)・46分 小林 海(メ)・
   48分 岸川(メ)・53分 岸川(メ)・60分 佐々木(メ)・64分 内山(SFIDA)

◆全日本女子ユースU18大会の3位決定戦は、高校チーム同士の対決(村田 VS 飛鳥)となりました。
村田は、前日の試合とは、まったく違い、スタートからFW畑中を中心とした怒涛の攻撃で飛鳥を攻めました。前日までは、静かに試合を見つめていた矢代監督、福井コーチも、終始声を切らさず、選手に気合を入れ続けました。一方の飛鳥は、橋詰を中心としたDFの頑張りで、決定的な場面も身体を張って耐え凌ぎ、エース古市の一発カウンターにかけ、満身創痍で戦いました。先制したのは飛鳥高校でした。オフサイドと思い込んだ村田のDF陣が、全員止まってしまったところを、すかさず突破し、佐藤(飛鳥)が貴重なゴールを決めました。ボール支配率、プレスの速さ、走る力は、村田が上回っていたものの、春の選手権予選、神がかり的な一発ゴールで、村田・十文字を倒し、金星をあげている飛鳥・・・金沢監督自ら称する、「飛鳥の海賊サッカー」が、この日も村田を倒してしまうのかと思われましたが、前半終了間際、飯島(村田)のフリーキックが直接決まり、同点に・・・後半は、蹴りあいの格闘技的激しい試合展開となり、決着がつがず、試合は延長線へ突入。延長戦になっても、全く走力の落ちない村田。一方、カウンターから古市が決定的な場面を演出する飛鳥・・・両者落ち着く暇のない、激しい試合となりましたが、延長後半、濱野(村田)が追加点をあげ、関東大会への切符を手に入れました。最大の山であった十文字戦を、後半の盛り返しで制し、関東大会進出をかけた重要な試合でも接戦を勝利した村田イレブン。前日も試合終了後練習をし、当日も午前中に練習をしてきたという脅威のサッカー魂を見せてくれました。「練習は嘘をつかない」・・・最後は「練習量」と「気持ち」の差が、勝敗を分けた、気迫の一戦でした。
東京の高校サッカーの代表として、村田の闘志が関東大会でも発揮されることが期待されます。

※村田2(1,0,0,1)−1(1,0,0,0)飛鳥 
       
 23分 佐藤(飛鳥) ・34分飯島(村田) ・74分濱野(村田)


◆全日本女子ユースU18大会の準決勝は、クラブチームVS高校チームの対決となりましたが、両試合ともクラブチームが勝利し、昨年同様、日テレ・メニーナ、SFIDA世田谷が関東大会進出を決めました。今年から、予選参加チーム数による比例配分により関東大会出場枠を決定することになり、東京枠が+1となった関係で、明日の3位決定戦の勝者も関東大会への出場権を獲得することになります。
@メニーナ6(1−5)ー0(0−0)飛鳥高校  メ:永里(3)・小林海・松原・長沢
前半は飛鳥がゴール前に集結し、メニーナの攻撃をブロック・・・攻めてこない相手にはスペースも生まれず、7本のシュートもDFにぶつかり・・・1本しか決まらず、苦悩する。後半に入り、コーナーキックから2点目が決まると、反撃に出る飛鳥のDFラインの裏に、スペースができ、メニーナの「技」が発揮される。「関東リーグでは、相手もガンガン攻めてくるので、スペースができて、点数が入るんですが・・・」と、前半の苦戦に苦渋の表情を浮かべる寺谷監督。関東大会のトーナメント戦でも、ガッチリ守られる可能性があり、その対策に選手たちも「考える」必要性を感じたようである。敗れた都立飛鳥高校は、明日関東大会進出をかけて、村田女子高校と決戦となる。春の予選敗退の雪辱を果たすべく、金沢真吾監督の気合が選手に注入され、激しい一戦が期待される。
ASFIDA世田谷3(2,1)ー1(0,1)村田女子 S:内山・小笠原・田中 村:濱野
試合開始から、村田の様子がおかしい。いつものようにガツガツいかずに、相手の様子をうかがうかのような展開。すると、すぐにSFIDAが先制。12分にも追加点をあげたSFIDAは、落ち着いてボールをまわし、前半9本のシュートを放ち、試合を優勢に進める。後半になると、ようやくいつもの村田の「迫力」が出る。後半に勝負をかけた矢代監督の作戦だったのだろうか・・・運動量で上回る村田に苦戦しつつも、SFIDAが3点目をあげる。さらにペースをあげてくる村田は、64分に1点を返す。「あと10分あったら・・・」と、悔しそうな村田の福井コーチ。「SFIDAは強いねえ」と、試合後、冷静にカツ丼を食べる矢代監督。明日の飛鳥戦の後に、その真意がわかるのだろう。2年連続で関東大会出場を決めたSFIDA世田谷。他のカテゴリー選手による応援団も、今日は一層まとまりがあり、この大会に照準を合わせてチームをつくって来た川辺監督以下、スタッフの努力にチーム全体が応えた会心の一日となったであろう。

◆全日本女子ユースU18選手権東京都予選のベスト8は、クラブから日テレメニーナ・SFIDA世田谷・駒沢SC・立川FCの4チーム、高校からは村田女子・十文字・都立飛鳥・文京学院の4チームとなりました。昨年はすべてクラブVS高校の対戦となったベスト4決めでしたが、今年は、村田・十文字の高校対決、SFIDA・立川のクラブ対決となり、熱戦が予想されました。気温は35℃・・・湿度も高く、非常に厳しいコンディションの中、予想通り緊迫した試合が展開されました。

ベスト4に残ったのは、日テレ・メニーナ、SFIDA世田谷、都立飛鳥、村田女子の4チームです。今年から東京の枠が「3」になり、3位決定戦まで、息詰まる熱戦が期待されます。準決勝は、クラブ 対 高校の対決となります。【8月26日(土)・駒沢補助競技場 @10時 日テレメニーナVS飛鳥 
A11時30分 村田 VS SFIDA世田谷】
皆様の熱い声援を期待しています。

★駒沢補助競技場の観戦は、本部と反対側のピッチサイドでお願いします。
本部側の入り口からは、関係者以外入構できませんので、ご協力よろしくお願いします。

@メニーナ4(2−2)ー0(0−0)文京学院  メ:岸川(2)・原・岩淵
前半は文京学院の中盤から守備陣の頑張りで、メニーナのシュートを8本に抑えた。均衡が破れたのは前半12分。メニーナが小林(海)のCKから得点を奪うと、一瞬弱気になって引いてしまった文京DFと、戻りきれないボランチのスペースを見逃さず、原が2点目を決める。その後、文京は守備を立て直し、前半は0−2で折り返すも、後半になると、走力の落ちた文京に、メニーナの怒涛の攻撃が襲いかかる。シュート17本の猛攻。しかし、GK正面、ポスト・・・と、精度に欠け、追加点がなかなか決まらない。46分、メニーナ岩淵が3点目をキッチリ決め、さらに文京DF陣の集中力の途切れたロスタイム、岸川が4点目をあげ、4−0で日テレ・メニーナが文京学院を破り、順当にベスト4に進出した。
A飛鳥高校0(PK3)ー0(PK2)駒沢SC
シュート数は、飛鳥10本、駒沢7本。キックオフ直後に、駒沢が、飛鳥のスキを突き、決定的な場面を演出するものの、得点には至らず・・・その後は、一進一退の展開となるが、熱さもピークになり、お互いいつものサッカーができず・・・どちらも決定力に欠け、試合はPK戦に突入。飛鳥は、橋詰姉妹の姉が1番手、妹が2番手、そしてエース古市が3番手となり、すべて決める。一方、駒沢は、プレッシャーからか、2番手・3番手がGK正面に・・・駒沢SCの自滅となり、飛鳥がベスト4進出を果たす。ここ3年間の飛鳥の成長の原動力となった、橋詰みどりを中心に、成熟してきた「チームワーク」を武器に関東大会進出を目指す。
B村田1(0,1)−0(0,0)十文字  村:浜野
「ベスト4決め」の中で、最も白熱した試合展開をすることが予想された、第3試合。今年度の公式戦では、十文字が村田に2連勝している。実力的には、村田と並び、東京のみならず、関東でも常に強豪と称された十文字が、春の関東予選ベスト4決めで、都立飛鳥に破れた。その悔しさをバネに、U18大会に向けて王者奪還を目指し、5月から走り続けてきた十文字は、チームとして完成されていた。キックオフ直後、試合は、ほぼ十文字のペースで運ばれた。しかし、全国大会出場の王者村田のDF陣は、あわてることなく、冷静に対応し、十文字にシュートを打たせず、虎視眈々とカウンターを狙った。あまりにも落ち着いている村田の矢代監督のもと、選手たちもチャンスを信じ、貫禄のある戦いぶりを演じていた。そして向かえた50分、相手の短いクリアを拾い、濱野が鋭いシュートを放つ。この時間の得点は、決定的なものとなり、村田がベスト4進出を果たした。
CSFIDA6(2,4)−0(0,0)立川FC  S:田中・横山・笹子・川嶋・越前屋・小笠原
今年、中学年代では、最も優れた選手が在籍すると評される立川FC。その立川が、次々とロングパスを放り込み、SFIDAゴールを脅かす・・・立川の猛攻に、SFIDAも、いつものサッカーができず、苦しむ。前半は、立川優勢のまま、スコアレスで終わるかと思われた25分。コーナーキックからのこぼれを、田中が押し込みSFIDAが劣勢のまま先制点をあげる。その2分後、横山が見事なシュートを決め、前半2−0で折り返した。後半は、SFIDAが余裕を持った攻撃で次々と得点を重ね、結果的には6−0という大差がついた試合となった。試合の流れを一瞬にして変えた前半25分のコーナーキック。セットプレーの重要性をさらに痛感した試合となった。昨年準優勝のSFIDAが順当にベスト4に進み、次週、村田との対決。勝てば2連連続関東大会出場となる。